
岡本 洋平
第3回 営業とは何か
第3回は日本の営業についてお話をしたいと思います。
皆さんは営業という言葉を聞くと、何を思い浮かべるでしょうか。
恐らく楽しいことよりつらいことを想像される方が多いでしょう。
2000年より以前は、俗に言う「足で稼ぐ営業」が主流を占めていました。
しかし最近はそういう営業を行う企業に人材が集まりにくくなっています。
その背景は、若者世代が地道な営業活動に対する意義を見出せなくなったり、
契約が取れないと無闇やたらに叱られることが理不尽であると感じるようになったからでしょう。
そういった流れを受け、企業も営業に対する考えを改めるようになってきました。
いわゆるアイスブレイクやオープニングからクロージングまでに至る「営業の教科書」の導入です。
今までの数打ちゃ当たるの論理から、より成約率を高める方向へ舵を切り始めました。
こういった手法は目新しい手法のように見えますが、実はアメリカでは50年も前に実践していた人物がいます。
営業の神様と言われるジョー・ジラード氏です。
しかし現代の営業の教科書とジラード氏の営業手法では、決定的な違いが一つだけあります。
それは「本当に顧客のためを思って営業をしているかどうか」です。
ジラード氏は目の前の1人の顧客をぞんざいに扱うリスクを再三に渡って指摘し、どうやったら顧客が真の意味で満足するかどうかを常に考えていました。
対して現代の営業の教科書は、テクニックばかりが先行して顧客満足がなおざりに扱われている印象が残ります。
私は営業もマーケティングも、本質は50年前から何も変わっていないと考えております。
顧客のために何ができるかを考える、その本質があってこそ営業の教科書が活かされます。
営業活動がうまくいかない場合、まずは本質が伴っているかを考えてみましょう。