
岡本 洋平
第21回 今どきの人材との接し方
今回は、特に最近経営者の方がお悩みになっている「今どきの人材」についてお話をいたします。
「最近の若者は~」、「近頃の若い奴は~」。
私は働きがいコンサルティングを主力事業として行っておりますので、上記のような言葉を本当によく耳にします。
しかし私はそのような「最近の若者」に対してネガティブに感じたことは殆どありません。
いわゆるミレニアル世代と呼ばれる方々は、われわれ昭和生まれと決定的に違う価値観を持っています。
そのうちの一つに「理由の無いことはしない」ということが挙げられます。
これはいわゆる根性論に代表されるように、とにかく生産性を無視して目先の目標を達成するような取り組みが該当します。
なぜそのような価値観を持っているのでしょうか?
それは簡単なことで、今まで誰もが疑問に思っていたことを表に出しているだけです。
根性論の取り組みを行う前に自社の製品を何とかすべきではないか、プロセスを何とかすべきではないか。
そういった当たり前の疑問を隠すことなく表に出しているので、それが周りからは「動かない」と思われる要因となっているのでしょう。
私はよく山登りに例えますが、山頂へ登ることが目標であったとします。
しかしそこへ向かうルートは人それぞれであるはずですが、たまにこのルートを強制してしまうことがあります。
これがいわゆる「理由の無いこと」にあたります。
その人にとってそのルートを選ぶ理由が無い、こうなると「最近の若者」は一気にやる気を無くします。
逆に、「最近の若者」は理由が明確であれば目標へ向かって一直線に突き進むような純粋さも持ち合わせています。
その最たる例は震災時のボランティアであったり、社会貢献であったり、小規模のグループミーティングであったりします。
ここで質問ですが、皆さんは「最近の若者」をどれだけ理解しているでしょうか。
その人の性格や趣味、得意なことや苦手なこと、内に秘めた信念まで、ちゃんと理解してその人に接している方は非常に少ないように見受けられます。
相手を理解しなければ当然こちらの言うことも理解されるはずもなく、これがお互いのズレを生み出している要因であると考えられます。
ですので、「最近の若い者は~」と言う前に、まずはその人に対して興味を持ってみることから始めてみてはいかがでしょうか。
そうすることで「なぜ動いてくれないのか」という理由もはっきりすることがあります。
人材マネジメントの基本ですが、相手を動かすにはまず相手に興味を持ち、その人の性格や信念などをちゃんと理解してみることから始めてみましょう。