
岡本 洋平
第16回 あなたはどんな人ですか?
第16回は働きがいと生産性向上に最も必要な「自分」を題材にしたいと思います。
「あなたはどんな人ですか?」
この問いにすぐ答えられる方は少ないのではないでしょうか。
「あなたは本当はどんな人ですか?」
「あなたはどんな時に人生の意義を見出しますか?」
このような問いになるとどうでしょう。
少し具体的になったので答えられる方もいるかと思います。
「あの人はどんな人ですか?」
仲の良い知り合いであれば、恐らく具体的に答えられるでしょう。
どんな性格で、どんな趣味で、どんな生きがいを持っているかなど、表面的なところはあれど具体的な言葉が出てくると思います。
以前の私もそうでしたが、自分のことになると「意外と分かっているようで分かっていない」方が多いように見受けられます。
この「自分」をきちんと把握するということは、働きがいだけでなく人生を楽しむために必要な要素です。
ですが、自分のことを考える時間というものは中々確保できない場合が多く、「自分が何者なのか」分からずに日々を過ごしている方も多いかと思われます。
「本当の自分」とは、その言葉通り「他人の目が無かったらあなたは本来どういう人間なのか」ということです。
私の場合、昔から「空気を読まずに自分が楽しいと思ったことを一方的に喋る人間」でした。
それがいつの頃からか、「他人の顔色と言葉のニュアンスを敏感に感じ取り、当たり障りのない言動に終始していた」のです。
これにはもちろん原因があり、同じ思いをしたくないからこそ必要以上に他人行儀な性格になったのだと思われます。
ですが、今の私はあまりそういうことを気にしなくなりました。
時間を浪費するだけの意味のない集まりだと感じたらすぐに帰りますし、経営者の方や行政の方に対しても自分の意見をはっきり言います。
空気を読まずに勝手に企画書を作り、勝手にセミナーの営業をかけることもあります。
講演やセミナーに受講側で参加した場合、たまに講演者に向けてキツい質問をします。
なぜこのような転機を迎えたかと言いますと、「遠慮してたら何も生まれない」からです。
だから本来の自分はどうであったか悩んだうえで、「空気を読まない」ことにいたしました。
自分の言動に意味を持たせることで、次の新たな何かが得られるかもしれない。
そういった期待感は自らの働きがいを高めると共に、生産性の向上にも役立っていると考えます。
巷ではよく「自分らしく生きる」などと言われますが、自分らしく生きただけでは人生をかけた目標は生まれません。
自分に欠けているもの、自分が本当に欲しいもの、自分が本当に達成したいことなど、「人生の意義を見出すための目標」を立てることが私は必要であると考えます。
「本当の自分はどんな人間なのか」、「人生の意義は何なのか」、「その人生の意義を見出すためにどんな目標を立てるのか」
これが明確になると、働きがいも格段に高まります。
知っているようで意外と知らない「自分」。
働きがいに加えて人生を楽しむためにも、一度ゆっくり考えてみてはいかがでしょうか。